情報公開された、大阪府下の精神科病院のデータから

まえがき   

 医療機関についての情報が公開されることは、利用者が適正な医療を受ける権利を守るために欠かすことのできない条件の一つです。とりわけ精神科病院については、他科とは異なって、措置入院、医療保護入院などの非自発的入院があること、病棟の多くが閉鎖性の高い構造と管理のもとにおかれていること、また遠からぬ過去に人権侵害の不祥事が多発したこと、などから、その医療内容の透明性を確保し、病院情報を積極的に公開することが、人権擁護の観点から求められます。
 大阪精神医療人権センターはかねてから、大阪府に対して、個別の精神科病院についての情報の公開を要求してきましたが、府は大阪精神病院協会との関係を重視するとして長い間、個別病院情報の公開には消極的でした。
 大和川病院事件以降、府は精神保健福祉審議会人権部会の意見具申を踏まえて精神障害者権利擁護連絡協議会を設置し、精神科病院における入院患者の人権を守るために何が必要かを検討しました。この議論には大阪精神科病院協会をはじめとして、精神科診療所協会、看護協会、PSW協会、当事者団体、家族会、保健所など行政機関、など多くの団体が参加しました。その結果、2003年5月、精神医療オンブズマン制度が発足することになるました。
 センターはこれに積極的に協力し、精神科医療のユーザーである市民の立場にたって、個別の病院を訪問し、人権擁護の視点から必要な改善事項を提案していく活動に従事しています。
 また、1999年(平成11年)大阪府情報公開条例制定以降、人権センターは、精神病院に関連する公文書の公開を求め、「精神保健福祉資料」に記載された個別精神病院に関する情報を分析し、2001年(平成13年)からは、これをわかりやすく整理したものを公開して、ユーザーが適切な病院を選択し、また適正な医療を受ける権利を守るための判断材料を提供してきました。

精神保健福祉資…公開された病院情報

 厚生労働省は、精神保健福祉施策の資料とすることを目的として、毎年6月全国の精神病院の状況を調査しています。所管は同省精神保健福祉部精神保健福祉課であり、各都道府県・政令指定都市に調査を委託し、このデータをまとめて全国レベルの資料を作成しています。この「精神保健福祉資料」の平成17年度の調査票は25の「個表」から構成され、個表1〜13は精神病院、個表14〜17は精神科診療所等、個表17〜18は精神病院・精神科診療所以外の精神科デイケア等、個表19〜21は社会復帰施設等、個表22〜25は都道府県・政令指定都市の精神保健福祉主管課において記入することになっています。このうち精神病院に関する13の個表のタイトルは次の通りです。

 1.精神病院の施設・病床の状況
 2.精神病院の従事者数・入院料等の届出状況
 3.痴呆性疾患専門病棟の状況
 4.応急入院患者の状況
 5.精神病院の精神科デイケア等の状況
 6.精神病院の精神科デイケア等の性・年齢別実人員
 7.精神病院在院患者の処遇(注・・・入院形態別の患者数など)
 8.精神病院在院患者の状況(注・・・疾患別の患者数など)
 9.在院期間・年齢別の在院患者数
10.精神病院の入・退院状況
11.精神病院平成17年6月入院患者の状況
12.平成17年6月1日残留患者の状況
13.平成17年6月退院患者の状況

 これらの調査表のうち、大阪府が大阪精神医療人権センターの請求に応じて情報公開した資料について、精神病院入院患者の人権擁護の観点から設定したいくつかの項目について評価し、またわかりやすい形にまとめてみました。