お知らせ

実際の被害から医療保護入院を考える

2018.09.07 UP

■被害の実態

2014年4月に四国のある精神科病院で医療保護入院の悪用の被害にあいました。
夫が従来患っている精神疾患が悪化し、判断能力が低下した状態となり、私から親権を奪うために、医療保護入院の悪用を企て、それに精神科医である義姉及び夫の通院先である精神科病院が加担し、私を拉致し、保護室内で監禁し続けました。
当時、私の子どもは9か月で母親が傍にいないと恐怖で泣いていた時期でした。そんな中、母子を切り裂き、錯乱状態となった夫のもとに子どもは置かれてしまいました。
私は、保護室内で子どものことを思ってはパニックになり、泣いていました。
その姿を見て、主治医は、気の利いた言葉をかけるどころか、「お前を一生ここに閉じ込めてやる」と脅迫し続けました。
治療もせず、説明もせず、ただ保護室に閉じ込め放置している異常な行為に対し、私は1日1回のみ許された電話(人権に関する所のみ)を使い、保健所・精神医療審査会・市役所・法務局・弁護士‥ありとあらゆるところに助けを求めました。しかし、応じてくれる所などありませんでした。
監禁から2か月目には、外部への情報漏洩をおそれた病院は法律で禁止されている手紙の制限さえも行いました。
結局、手紙の制限が行われる前に保護室から郵送で提出した告訴状により検察の介入が始まり、それに怯えた精神科病院は、私を出すことになったようですが、90日間という長い期間、保護室内に閉じ込められ続けました。
この入院のために、子どもはPTSDを患い、4年経つ今でもその傷が癒えることはありません。

■医療保護入院の現状
本来、医療保護入院とは判断能力の低下により正当な判断を下すことができないというような極めて例外的な場合に限って、家族等の同意を得て入院させることができるものです。
しかしながら、私の被害も含め日本の精神医療の現場ではそれが守られておらず、「しんどいから・・」「邪魔だから・・」といった家族の都合による乱用や悪用がされています。医師をはじめとした医療スタッフさえもが医療保護入院の本来の意味を忘れてしまっているのではないでしょうか。

■医療保護入院のおかし
医療保護入院とは、入院期間の定めがないため、不当に長期入院を強いられるおそれのある慎重に取り扱わないといけない入院形態ですが、たった1名の精神保健指定医の診察で入院が決定され、しかも行政への報告回数が少なく通常書面審査しか行われないため悪用しやすい仕組みになっています。また被害が勃発しているにもかかわらず、法整備がされていません。

■権利擁護の必要性
医療保護入院の問題だけに限らず精神医療の現場では、不当拘束・暴行死・多剤大量処方・・多くの不祥事が起きています。なぜこのような事態が起きてしまっているのでしょうか?
私自身被害にあって、わかったことは、どんなにひどいことをされても、精神科は客観的証拠に乏しく、民事でも刑事でも処罰されにくいということでした。そのため、医師の誤診に対する意識が低下し、医療水準が低下し、このような事態を招いているのではないかと私は思います。
精神医療の被害が多く存在している今、早急に権利擁護のシステムを確立しなければならないと私は思います。
精神障害の有無にかかわらず、精神医療の被害にあうという事実を知っていただき、国民全体でこの問題に取り組むべきではないかと私は思います。

(投稿KNさん)

人権センターニュース142 2018年8月号より

【特集】 精神科病院における「医療保護入院」を考える
はじめに/権利擁護システム研究会 コーディネーター 竹端 寛さん
実際の被害から医療保護入院を考える/投稿者 KNさん
基調報告1 増え続ける医療保護入院の実情~精神医療政策から考える~/報告者:有我 譲慶さん
基調報告2 法的に見ると矛盾だらけ~法的な観点から医療保護入院の問題を考える~/報告者①:桐原 尚之さん/報告者②: 原 昌平さん基調報告3  
本人や家族が負担や困難を抱え込まないためにも~医療保護入院の背景を考える~/報告者:彼谷 哲志さん
医療保護入院を経験して/投稿者 KMさん
療養環境サポーター活動報告/浅香山病院
療養環境サポーター活動報告/新生会病院

入院者の声

 

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