お知らせ

病院訪問活動を各地域で実現するために

2020.11.18 UP

大切なのは話し合いを重ね、信頼関係をきずくこと

訪問活動への思いや、受け入れてみての感想をお聞かせいただいてもいいですか?

わたしたち大阪精神科病院協会(以下、病院協会)は、人権センターさんがかなり前からされていた「ぶらり訪問」のころから病院訪問を受け入れています。その中で、やはり不安もあったり警戒もしたり、いろんなことがあったと思います。けれども、病院協会の会員のみなさまの理解と、人権センターさんが話し合いにしっかり対応してくれたから、ここまでやってこられたのかなと思っています。
実際、受け入れる側は非常に不安でした。不安を解消するためには、話し合うしかないんです。訪問活動の中で起きてきた様々な問題点や課題なども人権センターさんに伝え、お互いの理解を深めるためにどうしたらいいのか、そういうやりとりの積み重ねで、ここまでやってきているのかなと思います。

大阪以外で訪問活動をおこなう時に大事なことはどういうことだと思われますか?他府県の方に向けてのメッセージをお願いします。

一番最初に思うのは、大阪でやれているから、他府県でもできるということは、あまり簡単には言えないと思っています。お互いにしっかりと話し合いをし、信頼関係を構築していないと、そう簡単には実現しないと思います。状況は地域ごとに違うと思うんです。人権センターさんのような立場の団体と、その地域の精神科病院との関係、それがどういう関係かということによって、ぜんぜん違ってきます。
大阪でここまでやれているのは、信頼関係というものを構築できてきたから。違和感とか、「訪問に来てどんなことを書かれるんだろう」という心配は、必ずあるんです。わたしたちも最初はそうでした。でも、訪問に来ていただいた時に感想を正直に伝えていただき、病院側も病院の状況や現状を説明し、それを訪問してくれた人がちゃんと理解をしてくれるというプロセスがあってこそ、信頼関係をきずくことができるんだと思います。
ですから、あわてずに、じっくりと、それぞれの現場で話し合いながら信頼関係を構築していく、地道にご努力していっていただくことが大切なんだと思います。
それに、大阪では大和川病院事件があり、病院協会のほうも「このままではだめだ」、地域のみなさまやさまざまな立場の方に信用してもらえる精神科病院になっていかなきゃいけないという思いを、みんなが共有したと思っています。そのひとつの方策として、外から市民感覚の目を入れてもらうことが大事だということが、最終的に病院協会の中でみんながそういう気持ちになったんです。大阪府の行政としても、「いまのままやったらあかん」と思われたのは間違いないと思うんです。地域の行政が、入院患者さんの人権を確保していかなくてはならない、擁護していかなくてはならない、という方向に舵を切られたことは大きかったと思います。大阪は不幸なことはあったけど、それをいい方向に転ずることができたひとつの事例として、みなさまに見てもらったらいいのかなと思っています。
正直に言いますと、大和川病院事件のようなことがないところでこういう活動を行っていくことは、とても難しい問題だろうと思います。真摯な態度で自信をもって医療を行っている病院さんが大部分ですから。ただ、そこに第三者の方が入られることが必要だということを分かっていただくのは大事なんですよね。そのためにも普段からの地道な信頼関係を構築していくことが大事なんじゃないでしょうか。

訪問活動を受け入れてみてよかったと言えることはありますか?

第三者の目が入り、市民感覚で見ての意見を聞くことは、参考になることがほとんどです。意見として言ってもらっていることは、病院としては気を付けないといけない。言われるからやるというのではなくて、「必要なことを言ってもらっているよね」というポジティブなとらえ方ができるようになったら、その試みは大成功なんですよね。

ですから、そういうふうに思える信頼関係づくりが大切なんですよ。「言っていただいたことに意味がある」と受け止めることができるというのが、信頼関係があるっていることなので。不安感があったり、「無理を言われているな」というような気持ちであれば、言われたことを改善したり是正したりすることにはつながらないので。いいことを言ってもらっているという、わたしたちのスタンスが必要だし、もう一歩踏み込んで言うと、「私たちが利用する場合に、こうやっていただくと助かる」といったふうに、本当に第三者の立場で言っていただくことが大事だと思います。

また、精神科病院が地域に開かれるというのは、病院で働いている看護職員やケースワーカーやさまざまな職種の人たちが、「第三者の人たちがこういうふうに思っている、見ている」ということを「なるほどな」と、そう思える職員がたくさん増えてこないといけないんですよね。それが職員の質を向上させるということだとも思います。

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