お知らせ

精神科病院に風穴をあけた「ぶらり訪問」

2020.11.24 UP

病院外から人が入の目が入るなんて「ありえない」ところからのスタート

訪問活動を受入れていく経緯

大阪では大和川病院事件があって、その対応を大阪精神科病院協会(以下、病院協会)で検討している中で、人権センターの「ぶらり訪問」の話が出てきました。病院協会の例会では、ぶらり訪問を「受け入れる、受け入れないは、病院さんの自由です」といった形で提案されたと記憶しています。いま振り返っても、あの大和川病院事件は大阪の精神科医療にとって大きな変わり目、節目だったと思います。病院協会の中でも「これはなんとかせなあかん」という機運が高まったんだと思います。
病院協会の中では精神科救急体制を整えることが中心の議論だったとは思いますが、いままで外部の人が精神科病院に入ってくることなんてなかった中で、人権センターが入ってくるというのは、大きな変革のひとつだったんじゃないかと思うんです。

訪問活動を受け入れてみて~外の人が病院の中に入ることに意味がある~

個人的にですが、ぶらり訪問を受け入れたことは、結果的に良かったと思っています。「ぶらり訪問」が始まるまで、よその病院に行くなんてことは、病院職員同士でもありえなかったわけですよ。ありえないことに挑戦されたわけやからね。

当時、わたし自身は病院協会の役員ではなかったこともあって、大和川病院の事件も新聞記事などでみる程度しか知らなかったんです。率直に、「そういう病院があるんだ」という驚きがありました。ただ、実際に病院の中でどんな医療や看護が行われているかはわからないじゃないですか。だからやっぱり、「ぶらり訪問」とか、その後病院協会が始めた「ピアレビュー」などで外の人が行くようになってから、病院の風通しが良くなったのではないかと思っています。また、医療機能評価制度ができたり、うちの病院の場合も看護実習の受入れと、断酒会や作業所の方々など、ますます外部の人が入るようになっています。われわれは見られるほうやからね、第三者に見てもらい、意見をもらうことは、療養環境や医療の質を良くすることにつながると思っています。

精神医療をとりまく状況もみてほしい

大阪では、人権センターと大阪精神科病院協会が、いままでうまいことやってきたというのもあるので、それが果たして他の地域にもちこめるかどうか。地域によって医師をはじめ従事者不足、精神科医療機関の偏在、人口の減少等、さまざまな課題を抱えていて、みんな大変さはいろいろだとは思うんです。
精神医療をとりまく状況も以前とは変わってきていて、たとえば、日本は精神病床が多すぎるとずっといわれてきましたよね。統計的にも統合失調症の入院者数は減ってきて、明らかに認知症の方が増えていますよね。今後も認知症の方は増えていくし、少子高齢化社会もますます進み、3人に1人は認知症になる時代ですよね。ですから、日本の社会は、これから認知症の患者さんをどこでみるかという大きな問題も抱えています。
精神科病院をみるときには、そのような地域の精神医療事情や国の制度・政策などとも深く関連しています。そういった見方も必要だと思います。

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現在、当センターの活動には、当事者、家族、看護師、PSW、OT、医師、弁護士、教員、 学識経験者、マスコミ関係者等の様々な立場の方が、世代を超えて参加しています。当センターは精神科病院に入院中の方々への個別相談や精神科病院への訪問活動、精神医療及び精神保健福祉分野への政策提言活動等を行っています。

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