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「声をきく」という価値観を実現する│人権センターニュース153

2021.09.08 UP


今、自分ができること、これからできること金昇志 書籍販売・Facebookコメント・権利擁護システム研究会Facebookページのトップファンです。

人権センターのFacebookの記事に、コメントをすることが僕の「扉をひらく」活動です。法制度のことや入院に関することなど、家族の立場として間接的にしか聞くことができませんのでよくわかりません。講演などに行っても頭がこんがらがってしまいます。なにがどうなっているのかわからないのですが、人権センターのFacebookを「いいね」すると、お知らせがタイムラインに表示されるようになり、読んでいたら様々なことがわかるようになりました。

日中に仕事をしているのでボランティアや勉強会には夜間しかかかわれないのですが、インターネットは時間を問いません。

僕の勝手な想像ですが、コメントを書いて置いたら引っ込み思案な人でも「金さんが書いてはるわ!私も感想かいたろ!」ってなって、人権センターとつながらないかなと思います。

部屋でパソコンやタブレットを見ていたら、コメントを書きたくなってしまいますが、講演会の大勢の前で「質問ございませんか?」と言われても、勇気がないんです。聞きたいことはあるけど。僕みたいな、恥ずかしがりの照れ屋はいっぱいいると思うんです。

講演会

コロナ・パンデミックで講演会の開催ができませんが、再開を信じています。一度参加すると次回も…となります。出会いがあるのがいいですね。僕のことを嫌っているんじゃないかなと思っていた人が声をかけてくれたこともあります。講演会の会場で、名前を知らない方から「Facebook見ました!」と声をかけてもらうこともありました。

僕は行為芸術(パフォーマンスアート)のアーティストなので、書籍販売もパフォーマンスだと思っています。他の人も会場で販売係になりたい!と思ってくれると嬉しいですね。あの販売スタイルは、まだ始まったばかりなので、これからも続くといいですね。

電話相談のボランティアは知識とテクニックが必要です。僕は照れ屋だし、会話が苦手だからそこまではでけへんわ。何も言わなくても会場にいてできるボランティアもあります。何年か前に、講演会の帰り道で知らない人から「金さんには相談ボランティアは無理ですよ」と言われて「失礼な!」と思いました。向いてるとか向いてないとかじゃなくて、電話がでけへん人もいるでしょう。僕の稼業は仕事を作ることが仕事だから、人権センターでも仕事を作ることが僕の仕事かなと思っています。

医療福祉従事者じゃなくても参加したい

僕は専門家ではないし、国家資格ももっていないですが、精神保健について知りたいのです。権利擁護システム研究会に参加して、自己満足かもしれませんが、権利や人権についてもわかりました。レジュメの目次を見た時は理解できなくても、帰りの駅に向かう時には、分かったことにスッとします。

法律や精神医療システムについてだけでなく、病院職員の苦悩や戸惑いなども知ることができました。以前はとても精神科病院に腹を立てていました。弟が入院した時には面会拒否をされたり、酷い対応をされました。「精神病院なんかなくなれ!」とずっと思ってきましたが、権利擁護システム研究会で、現場で働く職員さんの話を聞いたら見方が変わったんです。ただ感情的に「入院減らせ」と僕が怒って責めたって、精神病院は変わらへんのやなと思うようになりました。

「人権…難しいなぁ…人権…。」

自分の経験から言ったら、排除するのは嫌ですね。無視されたり、暴力を受けたり、相手にされへんこと、出入り禁止にされる、ヘイトスピーチ。悪口を言う人はわかってへんねん、人権について。僕自身が日常で人権を忘れているけれど、裏返しに言うと人権は守られているのかなぁ…

病院の外観は国境のようです。病院の中から職員さんたちも出てきて、もっと人権センターに関わってくれたらいいなと思います。それで勤務先にもって帰ってほしいですね。

扉を開き続けてください

法律や制度を変える活動に期待しています。僕たちボランティアもレベルをあげなければアカン。一番は退院をしてもらうことです。長期入院をしている人が一人でも退院できるように、人権センターの人たちがいたら、退院を増やすことができると思う。

入院中の方が高齢になって身寄りもなく「ここがええんじゃ」という人もいてるけれど、「そんなこと言わんと退院しましょ」って、手伝いたいのはそこです。理事の弁護士が風呂敷に資料をいっぱい詰めて、新幹線に乗って厚労省に一緒に行きたいですね。みんなで行ったらええやん。それをするには次元を上げなアカンな。看護師さんが悪いとか責めるんじゃなくて、退院を可能にするには社会をかえることなんです。

金さんへのインタビューを終えて(広報 渡辺)

大きな体と裏腹に、繊細でグラスハートの金さん。顔で笑って心で泣いて、自己表現がちょっと苦手で恥ずかしがりの照れ屋の金さん、いつもありがとうございます。個別相談ボランティア養成講座はいつも満員御礼です、花形の活動は人気ですが、「裏方」の私たちにはあまりスポットが当たりません。それでも快く引き受けて下さる金さんをはじめとした「裏方」の皆様にこころより感謝申し上げます。入院中の方を支える三本柱「声をきく」「扉をひらく」「社会をかえる」の活動の「土台」にあたる、私たち後方支援部隊はもっと自分を誇ってよいかと思います。私も人を支援するには向かない人間です。どんな人でも参加できる人権センターを作るのも「裏方」の仕事なんでしょうね。


※本インタビューはSOMPO福祉財団のNPO基盤強化助成で実施しました。

人権センターニュース153│2020年8月号大阪精神医療人権センターの活動には、立場を超えて、「人権」というテーマを軸に、当事者・家族・医療福祉従事者・弁護士・教員・学生・会社員等いろいろな立場の方々が活動に参加しています。大阪精神医療人権センターでは、「声をきく」「扉をひらく」「社会をかえる」という価値観(ビジョン)を大切にして、活動を実践していますが、大阪精神医療人権センターの活動を更に拡充させるためには、当事者の方々の声をきき、その声や期待に応えていかなければなりません。>>>詳細 オンラインショップ>>>
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抑圧と差別に立ち向かうのは「のびのび暮らしたいから」志も高き先達に導かれ1985年、大阪精神医療人権センターの結成総会に参加しました。その後初期の電話相談(入院されている方から人権センターにかかってくる電話での相談)に参加しました。何もない事務所に電話機とノートがポツンとあるようなところでした。
ソーシャルワーカーと精神科アドボケイトの2つの視点わたしは、精神科クリニックで24年間、勤務していました。業務で利用者の方を入院に繋げることはあっても、退院を前提にした入院だったので、病院スタッフの方々とも違和感なくお付き合いできていたと思います。

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