お知らせ

【報告】滝山病院事件の問題点の徹底追及を通して精神医療体制の 転換を目指す院内集会 第2弾~「情報公開」に焦点を当てて~

2023.04.09 UP

ご報告 意見書を提出しました 詳細

「大和川病院事件が繰り返されている」この事件の一報が入ってきたときに最初にこう思った当センターの関係者は少なくありませんでした。
2023年2月、東京都にある滝山病院で看護師による患者への暴行事件が報道によって世間に明るみに出ました。患者から相談を受けた代理人弁護士が調査し、刑事告発したことを受け、警視庁が2月14日に看護師の1人を逮捕し、15日にはその件と他3名の看護・准看護師による入院患者への暴行疑いで同病院に捜査にはいりました。2023年5月現在までに最初の1人を含め計3人の看護師を患者への暴行容疑で警視庁が立件しています。
代理人弁護士は協力者から院内の動画や録音を入手しており、加えて入院患者や元職員から聴き取られた暴行や虐待の実態として、看護師が患者を殴る、蹴る、罵倒する、威嚇する、職員同士で患者の人権をないがしろにするような会話をする、暴力や虐待をする職員を他の職員が止めない、不適切な医療が行われている可能性があることなど、卑劣で非人道的な行為が多くあったことが明らかになっています。
精神科病院の認可や指定をおこなう東京都では、2022年5月には「虐待がある」との情報提供を受け、病院に聞き取り調査や立ち入り検査を計4回行っていたとのことですが、その際には虐待などは確認できなかったということです。東京都は1人の看護師の逮捕を受け、2月15日と2月24日に立ち入り検査を行い、2月25日に同病院へ医療法と精神保健福祉法にもとづく改善命令をだしました。改善命令では、同病院で虐待があったことを認定したうえで、虐待の防止と早期発見の対策として虐待などを発見した場合、都に速やかに通報できるよう職員への周知を命じ、2週間以内に改善計画を提出するよう求めました。さらに東京都はこの際に、患者に退院意向を尋ねる方向で調整していることも明らかにしていました。
当センターでは、関係各所に(1)病院の実態調査と入院者の救済策、(2)実効性のある再発防止策を提案するため、意見書を提出しました。

第1 事態の深刻さと背景を認識する

  1. 事件の発覚は氷山の一角
  2. 経営体質に問題のある病院
  3. 閉鎖性、権力性、支援者の不足
  4. 行政による指導監督が機能していない
  5. 福祉行政の責任も大きい

第2 当面の再発防止策の補足説明

  1. 入院者訪問支援事業について
  2. 病院訪問型アドボケイトについて
  3. 虐待防止と行政の対応
  4. 入院者に権利と連絡先を周知する
  5. 病院職員への権利と義務の周知
意見書

意見書と補足説明の全文

『精神科アドボケイト』の制度化~その可能性と課題~(新大阪駅前)

私たちの活動を応援してください

私たちの活動は、皆様のご寄付と会費に支えられて継続することができます。例えば、賛助会員として人権センターニュースの購読を2年間継続すると、精神科病院に入院する方へ面会に行くための交通費1回分になります。

  • 3000円の寄付で…30名の方にパンフレットを郵送することができます。
  • 1万円で…2~3名の入院中の方に会いに行くことができます。
  • 3万円で…約2週間の面会活動を支えることができます。
  • 5万円で…6回以上継続して面会している12名の方を続けて応援できます。
  • ご寄付は確定申告により税金の控除が受けられます。

    2023年4月13日12:00~ 衆議院第二会館にて開催
    去る3月9日に開催されたキックオフ院内集会では、260名を超える方、多くの議員の方々の参加を得て、滝山病院事件が精神保健医療福祉の構造的問題から発していることが多く語られた。この構造的問題に目を向け、1つ1つを解きほぐし、改善していく必要がある。今般の第2弾は“情報公開”という切り口から考えたい。
    東京都は滝山病院に対して立ち入り検査を行っていたが特に暴行などの問題を指摘されることはなく運営が続けられていた。行政は病院に対して“立ち入り検査”や“実地指導”を行っているが果たしてそれは機能しているのだろうか?またそれは今のままでいいのだろうか?また、その立ち入り検査の結果を開示請求しても公開されない自治体がほとんどであるが、それで精神医療のユーザーにとって、医療選択権の保障がなされるのだろうか?共に考えたい。

    もうこれで最後にしよう!滝山病院事件の問題点の徹底追及を通して精神医療体制の転換を目指す院内集会第2弾~「情報公開」に焦点を当てて~

    日時 2023年4月13日(木)
    時間 12:00~14:00
    (受付11:30 より)

    主催:精神科医療の身体拘束を考える会・滝山病院退院支援連絡会
    あいさつ&コーディネーター 長谷川利夫さん(杏林大学教授)
    報告 
    大田 雅子さん(奈良県/精神保健福祉士)
    寺澤 暢紘さん(静岡県/心の旅の会)
    稲川 洋さん(神奈川県/神奈川精神医療人権センター)
    辻脇 邦彦さん(東都大学教授)
    小幡 恭弘さん(みんなねっと事務局長)
    木太 直人さん(日本精神保健福祉士協会常務理事)

    総合司会 島本禎子さん(あおば福祉会理事長)

    会場・参加方法(要参加申込)

    オンライン(ZOOM)

    オンライン参加専用申込み先E-mail
    shintaikousoku@gmail.com

    ★ご希望の方は、4月11日までにお申し込みください。前日までにURLをお知らせします。

    衆議院第二議員会館・第3会議室(東京都千代田区永田町2-2-1)

    会議室の大きさの関係で、会場は議員および関係者のみとさせていただきます。

    主 催

    精神科医療の身体拘束を考える会/滝山病院退院支援連絡会

    後援

    日本障害者協議会(JD)/人権精神ネット/全国精神保健福祉会連合会(みんなねっと)/日本精神保健福祉士協会/日本精神科看護協会/全国精神障害者地域生活支援協議会(あみ)/東京都地域精神医療業務研究会/東京精神保健福祉士協会/大阪精神医療人権センター/兵庫県精神医療人権センター/埼玉県精神医療人権センター/神奈川精神医療人権センター/東京精神医療人権センター/その他、全国各地の地域事業所

    賛同団体

    DPI日本会議

    連絡先

    長谷川利夫(杏林大学教授) E-mail/hasegawat@ks.kyorin-u.ac.jp 携帯電話/090-4616-5521

    長谷川利夫さんの著作
    【内容紹介】
    問題の実態、現場スタッフの意識調査や海外の動向、隔離・拘束を縮減した成功例等をわかりやすく伝える。


    • 長谷川 利夫 著
    • 定価:税込 2,860円(本体価格 2,600円)
    • 発刊年月 2013.04
    • ISBN 978-4-535-98385-4
    • 判型 A5判
    • ページ数 160ページ

    関連記事
    精神科病院における身体拘束を考える精神科病院における身体拘束は、精神保健福祉資料によれば2017年では12 ,528人とされ、10年前(2007年)の6,786人と比較して約2倍となり、その数は増え続け、
    認知症と隔離・身体拘束│人権センターニュースバックナンバーより精神科病院の中で、手足や腰などを専用の道具で縛る「身体拘束」をされる人の数が増え続けている。

    2023.04.09 公開

    当センターの活動を維持し、充実させるためにご支援をお願いします。

    現在、当センターの活動には、当事者、家族、看護師、PSW、OT、医師、弁護士、教員、 学識経験者、マスコミ関係者等の様々な立場の方が、世代を超えて参加しています。当センターは精神科病院に入院中の方々への個別相談や精神科病院への訪問活動、精神医療及び精神保健福祉分野への政策提言活動等を行っています。

    会員・寄付について