
2023年3月9日12:00~ 衆議院会館にて開催
東京都八王子市の滝山病院における患者を暴行する事件がニュースとなり、連日報道が続いている。
同院の死亡退院率の高さはかねてから知られており、民間団体である東京都地域精神医療業務研究会は20年以上前から同院の死亡退院率の高さをはじめとする問題点を指摘し続けていた。しかし行政の監査はまったく機能せず、むしろ暴力、違法と思われる身体拘束が行われ続けていたようである。実際に殴られている患者さんの恐怖心、心と身体の痛みを想像するとき、強い憤りと心の底からの悲しみを禁じ得ない。
精神科病院では、宇都宮病院事件から神戸の神出病院事件、そして最近発覚した静岡県内の病院での事件など暴力、虐待がやむことがなく、今回の滝山病院の実態がこのような映像を伴う報道によって明らかにならなかったことを重く受け止める必要がある。
また、一旦保険医を取り消された医師が再び同院の院長となり同院を運営していたことは、国の精神医療体制の根幹自体が問われる問題である。
今回の事件は、精神科医療機関の閉鎖性の高さ、職員の低い人権意識、倫理観、生活保護を前提とした入院、地域行政との癒着、家族の病院に対する依存、低い社会的関心など、すべての複合的問題である。
そのような意味において、本問題は、国、国民、行政、精神科医療機関、医療従事者、病院利用者、家族等が、すべてをリセットするつもりで考え、体制を変えていかなければ、このような悲惨な状況が変わることはない。
この議論のキックオフとして、本集会を開催し、先ず第一歩を踏み出したい。